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「おくりびと」と「おくられびと」の狭間で・・
地方に住む親戚の90代の男性が亡くなりました。
との訃報電話が入り、泊まりがけで葬儀に行ってきた。

いつ会っても好々爺であった故人は、
「ワシは戦争中に憲兵をしていたときに、
自身を含め人間と言う生き物の本質はすべて見てしまった。
だから、ワシが死んだら、通夜、葬式、戒名、墓は一切不要だ。
火葬だけして、火葬後の遺骨は粉にしてからワシ所有の山に撒いてくれ・・
と遺言書に書いて置いたよ。」
と話をしてくれたことがあった。

だが、彼の遺言通りに事は運ばなかった。

施主であり喪主でもある故人の息子(60代)は、

「ナス代さんのような都会暮らしの人には判んねべと思うけんど、
このような農村部では遺言が有っても無くても、
葬式だけは地域の慣習に従わねぇと、村八分状態とまでは言わねげんじょも、
肩身さ狭くなって、此処で堂々と胸を張って暮らすのは難しいんもんだがらなっす・・」

と言う。


そして故人の遺志は無視され、かくも盛大な葬儀が営まれた。

だが高齢化の波には勝てず、昔ながらの隣組(皆高齢者)の人々の
手伝いによる振る舞い料理作りはできなくなり、仕出し屋に頼んだと言う。


葬儀中・・地域の人たちの話声が漏れ聞こえてきた。

「まっだくもって、立派な葬式だなや!」

「んだんだ!こんな立派な葬式は久しぶりだなっす!」

「国会議員のセンセイからの弔電も山ほど来てたみてだなっす。
 さすが○○家だんべや!」

「弔問客が300人を超えたんだど!死んだ爺ちゃんの人徳だべな!」

等々、人々は立派な葬式であることを口を揃えて褒めそやす。

このように、
弔問客の数と葬儀用花輪の数、国会議員のセンセイからの弔電の数等で
その家の格と故人の人生の集大成が決まる社会も在る。


逆に私が住む地域のように

「ねぇ・・○○さん家のお爺ちゃんだけど、
毎日同じ時間に犬に引っ張られて転びそうになりながら、
ヨロヨロしながら散歩をしていたのに最近全然姿を見かけないわねぇ。
体調が悪いのかしら?」
などとゴミ集積所で井戸端会議をしていると、

「あら、知らなかったの?この間亡くなったみたいよ。
それで、ご家族数人でひっそりと火葬だけの葬儀をしたらしいわよ。」


で終わる・・・。



人の世はそれぞれ、送り方もみんな違って当たり前・・。
バカボンのパパじゃないけれど、「これでいいのだ!」
と思いつつ・・・
今私が模索している、
生前に決めておく夫の為のフューネラル・スケジュール(葬儀予定表)について、
夫は「もう現役じゃないし、家族だけで見送ってくれる火葬だけでいいよ。
そして君が落ち着いたら、お別れ会形式で、会場には俺の好きなジャズを流しながら
笑い溢れる食事会でもしてくれたらそれでいいよ。」
と言っている。
自身の手で書いては貰えなくても、
生前に言葉で意志表示をしてくれるだけでも家族は助かる。
ではそうさせて頂こうと思う。




今年は11月までに喪中はがきが5通も届いた。
40代一人。60代一人。70代二人。80代一人。
それもなぜか全員が男性・・。


私もいつの日か夫を送る「おくりびと」から、子供に送られる「おくられびと」になり、
「母ナス代が享年100歳にて永眠致しました。」
と喪中はがきに印刷されるのだろう。

100歳まで生きられればの話だけど。
101202r
彼の人の訃報知らせる音がして郵便受けに枯れ葉舞い落つ
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Author:千風
気が付けば、シニア.........。 老眼鏡無しには新聞も本も読めず、 体の各部位が少しづつ、 壊れゆく 今日この頃、 この世での 残り時間を思うと、気持ちだけはアセアセ、ジタバタ、 ドタバタ。 心に反比例して 体の動きは うだうだ、だらだら、 とろとろ、のんべんだらりん、だらだらりん・・ついでに座布団に つまづいて すってんころりん。 ころころりん・・。 そんな明日をも知れぬ シニア女が老いと死の狭間で 揺れ動く、 切なくも哀しい乙女心。 じゃなかった・・(^_^;) 「お婆心?」を 時には超真面目に、 また或る時はユーモラスに、 独断と偏見思考で綴っています。
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