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桜の森の満開の下で人の世の無常を想う。
「満開の桜の下でお花見をしよう!」ということで、
夫と桜の名所で名高い県立公園の中の桜の森に行ったが、
人、人、人の群ればかりであり、
満開の木の下で黙々と飲食をしている人たちばかりであった。
それに、枝を見上げて桜を愛でている人など誰もいやしない。

パッと咲き、パッと散る桜は日本人に取っては「無常」の象徴でもあるのだろう。
やはり桜は遠くで見る方が美しく、また桜が放つ妖しい色香は
日本人として組む込まれているであろう無常感のDNAを再生してくれるかのようでもある。
桜はそのために咲くのかもしれない。


そして私は、この時期になると必ず、中学生の時に初めて読んだ
坂口安吾の短篇小説、「桜の森の満開の下」のホラー小説さながらの
妖しく未知なる世界の情景が今持って脳裏に浮かぶ。

桜の森の満開の下 (wikipedia)
12世紀の鈴鹿峠。山賊は、山に棲み、通りがかった旅人を殺し、
女は気に入れば女房にしていた。
この山のすべて、この谷のすべては自分の物と思っていたが、
桜の森だけは恐ろしいと思っていた。
桜が満開のときに下を通れば、ゴーゴーと音が鳴り、
気が狂ってしまうのだと信じていた。

ある春の日、山賊は都からの旅人を襲って殺し、
連れの女を女房にすることにした。
女は、連れを殺した山賊を怖れもせずに指図をする。
女は山賊に、家に住まわせた7人の女房を次々に殺させた。
ただ足の不自由な女だけは女中代わりとして残した。
やがて女は都を恋しがり、山賊は女とともに都に出た。

都で女がしたことは、
山賊が狩ってくる生首をならべて遊ぶ「首遊び」である。
さすがの山賊も嫌気がさし、都暮らしにも馴染めず、山に帰ると決めた。
女も、山賊と一緒に戻ることにした。

山賊は女を背負って山に戻ると、桜の森は満開であった。
山賊は山に戻ったことがうれしく、
忌避していた桜の森を抜けることにする。
だが、ゴーゴーと音の鳴る中、桜の下をゆく山賊が振り返ると、
老婆の鬼が追いかけてきて山賊の首を絞めるのだった。
山賊は必死で鬼を振り払い、鬼の首を締め上げた。

我にかえると、女が桜の花びらにまみれて死んでいた。
山賊は桜吹雪の中、声を上げて哭いた。




夫はお花見弁当を食べるのに忙しく、
私が頭の中で何を考えているか、何を夢想しているかなどはなどには
まったく関心がない。

私が桜を愛でながら考えていたこととは、

最近、再び40肩(肩関節周囲炎)の症状が現れ、
昨年40肩との診断を下した医者の予言通り、
今度はかなりひどい腰痛も出てきた。
運動(水泳)を欠かさないにも関わらず・・。

こうやって、少しづつ身体機能が壊れて行き、
私は老い、死んでゆくのだろう。

病は気から・・などと言われても、
自然の摂理である老病死は気持ちの持ちようだけでは防ぎようがない。

私の横で弁当をパクついている夫とあと何回の桜を見られるのだろう・・。

妖気で人を惑わす桜も、人間も、散る寸前がいちばん美しく
妖しく魅惑的な様相を示すものなのかもしれない。

だけど、「婆さんが桜の花びらにまみれて死んでいた。」
では画像的にも詩的にも美しくはないわね・・。(^^ゞ

ほろほろと花びらが舞うその下で眠りにつきたしおぼろなるまま
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テーマ : ひとりごと ジャンル : 日記

tag : 無常感 坂口安吾 桜の森の満開の下 40肩 腰痛 「無常」の象徴

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プロフィール
Author:千風
気が付けば、シニア.........。 老眼鏡無しには新聞も本も読めず、 体の各部位が少しづつ、 壊れゆく 今日この頃、 この世での 残り時間を思うと、気持ちだけはアセアセ、ジタバタ、 ドタバタ。 心に反比例して 体の動きは うだうだ、だらだら、 とろとろ、のんべんだらりん、だらだらりん・・ついでに座布団に つまづいて すってんころりん。 ころころりん・・。 そんな明日をも知れぬ シニア女が老いと死の狭間で 揺れ動く、 切なくも哀しい乙女心。 じゃなかった・・(^_^;) 「お婆心?」を 時には超真面目に、 また或る時はユーモラスに、 独断と偏見思考で綴っています。
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