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家族の責任、どこまで? 認知症の男性が徘徊中、線路に…遺族に720万円の賠償命令
一昨日の朝刊に
家族の責任、どこまで 徘徊中、線路に…遺族に賠償命令
の記事が載っていた。

記事によると・・・

家を出て徘徊(はいかい)していた認知症の男性が線路内に入り、
列車にはねられて亡くなった。
この男性の遺族に対し、「事故を防止する責任があった」として、
約720万円を鉄道会社に支払うよう命じる判決が出された。
認知症の人を支える家族の責任を重くみた裁判所の判断。
関係者には懸念の声が広がっている。

■妻がまどろんだ一瞬

 事故は2007年12月に起きた。愛知県に住む当時91歳の男性が、
JR東海道線の共和駅で、列車にはねられて死亡した。

 男性は要介護4。身の回りの世話は、同居する当時85歳の妻と、
介護のために横浜市から近所に移り住んだ長男の妻が担っていた。
この男性が外に出たのは、長男の妻が玄関先に片付けに行き、
男性の妻がまどろんだ、わずかな間のことだった。

 男性はホームの端から数メートルの線路上に立っていたところ、列車にはねられた。
線路に入った経路はわかっていない。事故で上下線20本が約2時間にわたって遅れた。

 JR東海は、男性の妻と、横浜市で暮らす長男を含めたきょうだい4人に対し、
振り替え輸送の費用など損害約720万円の支払いを求め、名古屋地裁に提訴した。

 JR側は、遺族には「事故を防止する義務があった」と主張。
訴えられた遺族側は、徘徊歴は過去に2回だけで事故の予見はできなかった、
などと反論した。


 ■判決「見守り怠った」

 今年8月に出された判決は、死亡した男性には「責任能力がなかった」とし、
遺族のうち男性の妻と長男の2人に賠償責任を認めた。

 長男は、家族会議を開いて介護方針を決め、
自分の妻に男性の介護を担わせていたことから、
「事実上の監督者」と認定した。
さらに徘徊歴や見守りの状況から事故は予見できた、と指摘。
男性の認知症が進行しているのに、
ヘルパーの手配など在宅介護を続ける対策をとらなかったなどとし、
「監督義務を怠らなかったと認められない」と結論づけた。
死亡男性の妻についても、「目を離さずに見守ることを怠った」とした。

 一方、他のきょうだいは、遠くに住むなどの事情で、
家族会議に参加しないなど、
介護に深く関与していなかったとし、責任を認めなかった。

 遺族代理人の畑井研吾弁護士は「介護の実態を無視した判決だ。
認知症の人は閉じ込めるか、施設に入れるしかなくなる」と批判。
長男らは名古屋高裁に控訴した。

 JR東海によると、飛び込み自殺などで運休や遅れが発生した場合は、
損害の請求をするのが基本的な立場。
ただ訴訟にまで発展するケースはここ数年は例がないという。
同社は「認知症の人の介護が大変だということは理解しているが、
損害が発生している以上、請求する必要があると考えた」としている。

 
■施錠しかないのか

 長男(63)のコメント 判決が指摘する
「(出入り口の)センサーを切ったままにしていた」
「ヘルパーを依頼すべきだった」といった事項を全て徹底しても、
一瞬の隙なく監視することはできません。
施錠・監禁、施設入居が残るのみです。
父は住み慣れた自宅で生き生きと毎日を過ごしていましたが、
それは許されないことになります。控訴審で頑張るしかないと思っています。


■「補償の仕組み必要」/無施錠の施設、落胆

65歳以上の高齢者のおよそ7人に1人が認知症と推計されている。
家族や関係者にとって判決は重く響く。

 
認知症の人と家族の会(本部・京都市)の高見国生代表理事は
「あんな判決を出されたら家族をやってられない。
責任をまるまる家族に負わせればいい、というのではダメだと思う」と判決を批判。
一方で「認知症の人の行動で他人に損害が生じうるのは事実。
何らかの保険のような、補償の仕組みを考える必要があるのではないか」と語る。

NPO法人「暮らしネット・えん」(埼玉県)が運営するグループホームは
カギをかけず認知症の人が自由に出入りできる。本人のペースを大事にするためだ。
外に出ようとしていれば職員が付き添う。ただ注意しても、
気づかぬうちに利用者が外に出かける状況をゼロにはできない。
無施錠の方針は監督責任のリスクと隣り合わせだ。小島美里代表理事は
「(判決の考え方で)今まで積み重ねてきたことを無視された気持ちになる。
怖くて、事業をやめたいとすら思う」と話す。


 ■事故までの経過

00年    男性の認知症に家族が気づく

02年    長男の妻が男性宅近くへ転居 男性に要介護1の認定。デイサービスへ通い始める

05、06年 夜中に2度徘徊

07年    要介護4、常に介護が必要な状態に


【07年12月7日 事故当日】

午後4時半ごろ   男性がデイサービスから帰宅、妻や長男の妻とお茶を飲む。
長男の妻が玄関先へ片付けに。妻がまどろむ間に男性が外出

午後5時ごろ    妻と長男の妻で、男性の散歩コースを捜すが見つからず

午後5時47分ごろ JR東海道線共和駅で事故発生

引用ここまで....





法的な面から探ると、自殺のように故意によるものではなく、
防ぎようのなかった過失に当たると思うのだが、
それでも司法は介護者に厳しい判決命令を下した。
今後はこの裁判所命令を元に、認知症の高齢者が徘徊中に線路に入ってしまい、
はねられて電車を止めたら損害賠償金を払わされることになるのだろうか?


どう考えても、在宅での認知症高齢者の24時間見守りは到底無理であり、
人権侵害をも承知の上で、家の一室を監禁部屋として施錠しても、
徘徊できるほどの身体的能力(特に足腰の力)を持っていれば、
壁は突き破り、窓ガラスは割ってでも外に出る人もいるかもしれない。

介護者にとってはまことに厳しい判決だと思う。
と同時に、認知症になってしまった老いた両親や配偶者に対しては、
徘徊しないように座敷牢に閉じ込めておくしかないのだろうか・・。

施設に入れるという選択肢もあるが、
現実的には私が住む町では、現在、要介護認定者での特養待ちは、
年金の範囲以内で入れる施設一箇所に付き、多いところで1,600人、
少ないところでも数百人が空きを待っている。
そして、ほとんどは入居者の死亡による退所者がいないと入れない。
今から20年後、私が運よく生きていたら、80代になっている。
その頃には、特養待ちはいったい何千人になっていることやら・・。

逆にサービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームは、
今現在でも掃いて捨てるほどたくさんあるが、
経済的な面から考えると、おいそれとは入れない。



上記のような賠償命令判決が出た場合を想定して、
民間の保険ではなく、介護保険制度に認知症オプションとして、
徘徊損害賠償項目を追加してもらい、
認知症と診断されたらそのオプションに加入し、
社会全体で分担するしか方法はないのかもしれない・・。


結局は新聞記事にあったように、介護で一番泣きを見るのは
在宅で認知症の親の面倒見ている配偶者とその子どものみということになる。

個人的には720万円の賠償命令を受けたご遺族が、
控訴審で地裁命令を覆し、「賠償責任無し」になることを祈ります。

誰もが好きで老いるのでもなく、
誰もが好きで認知症になるのでもない。
そして、誰もが好きで介護を背負うのではない。

国も行政もまったく当てにならない中、
(来年4月に予定されている消費増税分の多くは社会保障費には回さず、
法律に書き込まれている消費増税法の付則という抜け道を使って
公共事業へのばらまきと企業減税に費やす予定らしい。)
65歳以上の7人に1人が認知症(推計)という
「認知症時代」を生きなければならない私たちの世代・・。
子どもの世話になりたくなければ、また迷惑をかけたくなければ、
「自分はどこで死ぬことができるのか?」
を今から考えておかなければならない時代が到来しているようです。

寄る辺なき孤独噛み締め真夜中にファドなど聴きて運命(さだめ)を思ふ
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テーマ : ひとりごとのようなもの ジャンル : 日記

tag : 認知症高齢者 人権侵害 座敷牢 介護保険制度 司法判断 消費増税法の付則

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Re: No title
諦観様。はじめまして。

高齢化社会における自民党の考え方としては、
老いた親の介護における第一の責任は家庭にあり、
「公助」に救いを求める以前に親族が何とかしなさい。
という方針を強く打ち出してきています。
2025年問題(団塊の世代が2025年ごろまでに後期高齢者(75歳以上)
となることにより、医療費など社会保障費の急増が懸念される問題)
などは自民党にとってはうっとうしいだけの問題なのでしょうね・・。
結局は、弱い者にしわ寄せが来るのはいつの時代でも同じです。
なんか・・変な時代に生まれてきてしまったような気がしています・・・。(^^;)

こちらこそ、 これからもよろしくお願い致します。(^-^)/
No title
はじめまして。私はたぶん同世代です。法律も政治も正義さえも 強いもの、経済的に豊かなものの味方ですね。認知症は介護する側だけではなく、本人も 人間としての尊厳を傷つけられますね。見守り=24時間体制の監視を、同居の親族に責任を押し付けできなければ=施錠・監禁設備のある施設入居と言うことでしょうかね。
死ぬまで元気で、できなければ、人生の終わりは自分で決めたい、と願っています。
これからもよろしくお願いします。
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プロフィール
Author:千風
気が付けば、シニア.........。 老眼鏡無しには新聞も本も読めず、 体の各部位が少しづつ、 壊れゆく 今日この頃、 この世での 残り時間を思うと、気持ちだけはアセアセ、ジタバタ、 ドタバタ。 心に反比例して 体の動きは うだうだ、だらだら、 とろとろ、のんべんだらりん、だらだらりん・・ついでに座布団に つまづいて すってんころりん。 ころころりん・・。 そんな明日をも知れぬ シニア女が老いと死の狭間で 揺れ動く、 切なくも哀しい乙女心。 じゃなかった・・(^_^;) 「お婆心?」を 時には超真面目に、 また或る時はユーモラスに、 独断と偏見思考で綴っています。
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