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爆笑エンディングセミナー体験記 其の2。「神も仏も信じていないので、男のロマンでドラキュラの棺(キリスト教式の棺)に入りたい!」
さて、前回の続きですが、
エンディングセミナーの内容にはない入棺体験の例外許可をいただいた
左卜全翁がオズオズとお棺に入り、
一番高い超豪華な布張りお棺(10万円のオプション付き)に仰向けになり、
モソモソと動いていたが、やっと落ち着く定位置を探しあてたのか、
微動だにしなくなった。
それが3分ほど続き、
同グループのオバサマ方が、
次々に寝心地の感想を訊くのだが左卜全翁からは何の返事もない。

或るオバサマは、
「あらやだ、この方、願いが叶ったのでホントに亡くなっちゃったのかしら?
それとも眠っちゃったのかしら?
ちょっとー!生きているなら起きてくださ~い!」
と口々に耳元で声をかけた。

すると左卜全翁が、パチリと小さく細い目を開け、
「寝心地が良くてよぉ、つい居眠りしちまっただよ。
まぁなんだな。寝心地はいいけどよぉ、ホントにおっ死んじまったら、
寝心地なんてどうでもいいっつうことだけは良く分かったからよぅ。
さぁ、彼の世から此の世に戻ることにすっか。」
と言ってお棺から出てオバサマ方を笑わせ、
その後は、お上品な岡田嘉子媼
を筆頭に、次々にオバサマ方が約30秒ほど(時間の制約上)の
入棺体験をしたのであります。
私の感想としては、ただの長方形の箱入ったというだけで、
布団が敷いてあるわけでもないので、
体の背面の骨が痛かった・・ただそれだけでした。(笑)
他のオバサマ方も大した感想は無かったようで、
「死んじゃったら痛いも痒いもないし、あんなもんでしょ・・」
と、入棺前の興奮感はどこへやら、あっさりした感想しか出て来なかった。

皆で急いで、一番高い超豪華な布張りお棺(10万円のオプション付き)
を元の位置に立てかけ、
案内人の指示でグループ員が次の場所へ移動しようしたら、
すると、またまた左卜全翁が、
「この一番端っこにある十字架が貼り付けてある黒いお棺は
キリストさんのお棺なんだろ?」
と案内人に訊いていた。

案内人
「さようでございます。
こちらのお棺はクリスチャンの方のお棺でございます。」

左卜全翁
「さっき入ったお棺は仏式、もしくは無宗教だんべ?
ここは日本だで、は極楽に行くことになるわな・・
するってーと、この黒いお棺に入ると天国に行くことになるんだよな?
オイラのガキの頃の話だけどよぉ。ドラキュラの映画を観て、
一度でいいから、この黒いお棺に入ってみてぇ!と憧れていてよぉ。
どうせ、一度しか入れねぇんなら、オイラこのドラキュラのお棺に入りてぇな。
幾らするんだい?んっ?2万円増しかい?よし!オイラはこのお棺に決めたで、
後で見積もりに入れてくんな。」

案内人
「あの~、クリスチャンでいらっしゃるのですか?」

左卜全翁
「うんにゃ・・オイラの宗旨かい?実家は曹洞宗だけどよ。
徴兵で実家を出て以来、
戦地でな、仲間が次々死ぬのを目の前で見てからはよぉ。
オイラ、天皇さんとこの神さん(伊勢神宮)も仏教も含めてよぉ。
世界中の神仏はどれもこれも信じちゃいねぇよ。
だからよ。葬式の宗教も儀式にもなんの拘りもねぇからよ、
オイラの葬式はドラキュラのお棺で、無宗教で頼むわな。
まぁ、なんだな、ガキの頃に夢見た男のロマンってぇものかもしれねぇな。」

だそうな・・

その後も延々と話を続けたがり、
オバサマ方も面白がって大笑いしていたのだが、
何しろ時間が迫っているらしく、
案内人が割って入って強制的に話を打ち切り、
次のエバーミング室に向かった。

そこには一般家庭の洗面台を横に長~く伸ばした形状の、
シャワーと排水口がひとつづつ付いただけの代物が置いてあり、
案内人が、
「ここでは香りの良いボディソープとシャンプーを使いまして、
ご遺体を丁寧に湯灌させていただき、
ご希望でエバーミングもさせていただかせております。」と言う。

そこでまたオバサマ方がやいのやいのと言い出す。

「ええっ?湯灌もエバーミングも基本料金には入ってないわよね。
オプション費用はいったい幾らなの?」
と事前に渡されていた詳細なパンフレットを開くと、
そこには驚愕のオプション金額が書かれておりましたとさ。

おひとりさまのオバサマA
「ええっ?湯灌だけで○○万円なの?
だってさ、ご遺体を寝かせてシャワーするだけで、
どうして○○万円なのよ?
えっ!技術料なの?それだったら、この場所だけ借りて、
家から石鹸を持ってきて娘にシャワーしてもらうことはできないの?」

夫有りのオバサマB
あのね。あたしの母が病院で亡くなったときは、
看護師さんが丁寧に体を消毒をしてくれてたわよ。
あれだけでいいんじゃない?
○○万円も出して香りの良いボディソープとシャンプーを使って湯灌をして、
更にエバーミングをしても、
どうせ、火葬場で焼かれちゃんでしょ・・
まぁね。若い女性が事故で亡くなったんだったら、
エバーミングも必要と思う遺族もいるかもしれないけど、
あたしはいいわ。もう歳だから・・」

おひとりさまのオバサマB
「このパンフレットに書いてある葬儀の基本料金というのは、
今日亡くなったとして、明日ここで家族葬を執り行ってすぐに
市営の火葬場に移動して火葬にしておしまい・・
という家族葬の基本中の基本プラン。
つまり最低限のプランというわけなのね・・。
でも、葬儀後に近親者で食事ぐらいしないわけにはいかないでしょ?
それに、もちろん、お寺さんへの費用も入ってないし、
香典返しもお通夜料理も精進落とし料理も全部オプションなのよ・・。
あらやだ!ちょっと~!役所への死亡届けもオプションらしいわよ。
それに、もし火葬場が混んでて予約が取れなかったら、
更に遺体安置料として、
一泊○万円の追加料金が必要ってことなるわけね。
結局、安く見積もってもパンフレットに書かれた基本料金の
2倍の費用が必要ってことになるわね。
葬儀社ってさ、なんだか家族の死と遺族の悲しみを利用した
いけずなボッタクリ会社だと思わない?
わたしも、湯灌もエバーミングも必要ないわ。
なんだか・・そう簡単には死ねないわねぇ。
皆さん、もっともっと元気で長生きしなくちゃね!(*^^*)」

そのとき、傍で黙って聴いていたセレブ?な岡田嘉子媼が
案内人に素っ頓狂な質問をした。

「あの~質問がございますの。
その湯灌でございますけれど、
希望した場合は男女どちらの方にしていただけますの?」

案内人
「普通でしたら女性のご遺体は女性が担当致しまして、
男性のご遺体ですと、男性が担当致します。」

岡田嘉子媼
「さようでございますか・・。
わたくし、冥途の土産として、
是非とも若くて美男子の男性に湯灌をしていただきとうございますが、
それは可能ですかしら?」

案内人
「はい。ご希望でしたら可能でございますが、
美男子かどうかはお客様の好みによりますので、
今ここでは、なんとも申し上げられませんが、
見積もりのときにお言いつけくださいませ。」

私を含めたセレブとは思えないオバサマ一同が
「あら~!その手があったわね~。
だけどさ、イケメンに湯灌してもらっても、
もう死んじゃってて、感触が分からないんじゃ意味ないわよね。」
それに、○○万円のオプションじゃとても無理だわ。
と大笑いしていると、
彼の左卜全氏が口を挟みたくて、
舌と声帯がウズウズしていたようで、
「オイラもよぉ、是非とも湯灌は若い姉さんにしてもらいてぇな。
それからよぉ、そこの姉さんの言ってた
金のかからねぇ葬儀なんて簡単にできるさ。
そだな・・この○○市では火葬場の予約だけは
個人ではできねぇみてぇだからよぉ。
先ずはどこかの葬儀屋に遺体の搬送とお棺だけを頼んで
自宅に搬送してもらってだな、
その葬儀社に火葬場の予約を取ってもらってよぉ、
予約した日時にまた火葬場まで搬送だけを頼めば
それだけで、いいんでねぇかい?
そしたらよぉ。搬送費とお棺代と火葬費用だけで済むってぇわけだよ。
役所への死亡届けなんざ、家族にしてもらえばよぉ、
10万円もかかんねぇと思うがなぁ・・」

「あら、いろいろなことをよくご存知ですのね。」
と岡田嘉子媼が感心しておりましたら、
左卜全翁がポッと顔を赤らめたのを、私は見逃しませんでした。(笑)

実際、私の知人のご主人様(80代男性)には、
左卜全氏がおっしゃったように葬儀に関する遺言を残した人がいて、
ご遺族はそのようにした・・と言っていました。

世の中、葬儀の形態も様変わりしました。
葬儀社に言われるがままにしなくても、
死者を悼むことは可能なようです。







人間の命は明日、否、今から一秒後にははどうなっているかすら解らない。
ことをも視野に入れながら
私は死をタブー視する我がパートナーのもしものとき・・
のことを考えて具体的な葬儀の流れと費用を知りたい、
と思ってエンディングセミナーに参加したのですが、
参加者の多勢を占めたおひとりさまの方々は、
もちろん、自らの死の後始末を考えて参加されたようです。
いろいろな思いで集まった人たちではありますが、
あまりにも、今を生きている人特有の人間臭い思いに、
涙が出るほど笑わせていただきました。

もちろん、他人様の死を笑うことは不謹慎であり、
また不届き千万なことであることは重々承知の上ですが、
エンディングセミナーに参加された皆様は、
全員が元気で生き生きとしていました。
(多分今現在もお元気のこととは思いますが・・)
我笑うゆえに我あり・・であり、未来の己が死を、
今生きている自分が笑うことは、あの空間では大いに許されていました。

あれから、一週間近く経ちますが、私のノート型日記帳の中では
彼らは、一緒に笑い、一緒に考え、また愉しいひとときを過ごした
己が死を真面目に考える名も知らぬ終活友として、
今も元気に生き続けています。



この後も爆笑エンディングセミナーは続きます。
次回は、遺影、骨壷、後飾り、仏壇等(もちろん全部オプション)
の葬儀と仏事における供養の為の副葬品展示室での笑えるお話です。
31030rr
もう二度と逢うことのなき人なれど幸多かれと祈る秋の日
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気が付けば、シニア.........。 老眼鏡無しには新聞も本も読めず、 体の各部位が少しづつ、 壊れゆく 今日この頃、 この世での 残り時間を思うと、気持ちだけはアセアセ、ジタバタ、 ドタバタ。 心に反比例して 体の動きは うだうだ、だらだら、 とろとろ、のんべんだらりん、だらだらりん・・ついでに座布団に つまづいて すってんころりん。 ころころりん・・。 そんな明日をも知れぬ シニア女が老いと死の狭間で 揺れ動く、 切なくも哀しい乙女心。 じゃなかった・・(^_^;) 「お婆心?」を 時には超真面目に、 また或る時はユーモラスに、 独断と偏見思考で綴っています。
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