*All archives* |  *Admin*

もうすぐ思考停止を強要させられてしまうこの国の凡庸な悪という恐怖を思う。
昨日(11月28日)の朝日新聞朝刊で偶然か故意か・・
高橋源一郎と濱野智史が同じ紙面で、
ハンナ・アーレントの「凡庸な悪」を引用していた。



(あすを探る メディア)炎上という「凡庸な悪」 濱野智史

ハラスメントを避けるべく、
よりコミュニケーションに気配りをしようとするのは得策ではなさそうだ。
ダイエットに失敗する人の典型ではないが、その過剰な気配り自体がストレスにつながり、
新たなハラスメントを生んでしまうからだ。
先に触れたヘイトスピーチ特集では在特会は決して「特殊」な存在ではなく、
私たちと「地続き」の存在なのだと指摘されていた。
コミュニケーションの無間地獄からは逃れられない以上、
誰もがハラスメントや炎上に巻き込まれうるのであり、
それはこの社会にありふれた「凡庸な悪」(ハンナ・アーレント)なのである。

・・・一部引用・・・ 



(論壇時評)暗い未来 「考えないこと」こそ罪 作家・高橋源一郎

33年前、モデルの女子大生を主人公にして、
田中康夫が書いたデビュー小説『なんとなく、クリスタル』は、
本文とは別に442個の注をつけて、世間を騒然とさせた〈1〉。
だが、その評価は、流行のファッションや音楽にばかり目を向けた、
軽薄な若者向けの作品、というものが大半だったと思う。わたしは、
小説に潜む鋭い…中略…もう一つ、「Journalism」の
「ヘイトスピーチ」に関する大きな特集にも、
大切なことが書かれていると感じた。

 座談会〈5〉の出席者たちは、いわゆる「在特会」の「朝鮮人は死ね」
といったヘイトスピーチの主張に、
かつてハンナ・アーレントがユダヤ人虐殺の中心人物であった
アイヒマンについて語った「凡庸な悪」を見いだす。
そして、深みのない「凡庸な悪」であるからこそ、
底無しに広がってゆく可能性があると指摘している。
彼らは特殊なのではない。わたしたち社会の中に、
彼らの考えに同調する素地があるのだ、と。

 だが、その「凡庸な悪」に染まり、世界を滅ぼそうとしているのは、
「在特会」とそれを支持している人たちだけなのだろうか。

 アーレントは、アイヒマン裁判を傍聴し、
彼の罪は「考えない」ことにあると結論づけた。
彼は虐殺を知りながら、それが自分の仕事であるからと、
それ以上のことを考えようとはしなかった。
そこでは、「考えない」ことこそが罪なのである。

 わたしたちは、原子力発電の意味について、
あるいは、高齢化や人口減少について考えていただろうか。
そこになにか問題があることに薄々気づきながら、
日々の暮らしに目を奪われ、
それがどんな未来に繋(つな)がるのかを
「考えない」でいたのではないだろうか。
だとするなら、わたしたちもまた「凡庸な悪」の
担い手のひとりなのかもしれないのだ。

・・・一部引用・・・
 




あの東日本大震災から2年8ヶ月が過ぎた今、
私のリアルな日常においては、
誰しもがフクシマの悲劇など忘れたかのように、
話題にすらしない・・。

そして、都会の夜の街では毳毳しいネオンサインと
クリスマス・イルミネーションが輝き、
目の前の見せかけの享楽に酔いしれ、
見せかけの平和を享受しているかのようだ。


私とて、新聞も読まず、ニュースも聴かず、
外の世界に対しては思考を停止し、
身近な小さな幸せ=些細な自己満足に浸っている方が、
どれほど楽であることだろう。


凡庸な人々は、高橋源一郎氏が指摘するように
『「考えない」ことこそが罪なのである。』
などとは露ほども思わず、また、知らず知らずに
凡庸な悪に引きずり込まれていることにも気づかずに、
そして、自滅への道に手を貸し続け、
自分たちが凡庸な悪の担い手であるなどとは考えることもなく、
自分は生まれてから死ぬまで善人であった・・。
などと・・大いなる罪人(つみびと)の自覚を持つこともなく
やがては死んでいくのだ。


悪は凡庸であるが故に常に我々のすぐ傍に手ぐすねを引いて待ち構えている。
凡庸な悪に陥らないために、また自覚なき罪人(つみびと)にならないためには、
ハンナ・アーレントは「ひたすら考えよ!」と凡庸な人々に訴えかけている。

自分の大切な家族はおろか、人類の未来さえも奪ってしまう、
この世で一番恐ろしいもの・・
それは、目の前の些細な自己満足にしか興味と関心がなく、、
思考停止を心地よく思っている人々の凡庸な悪そのものなのかもしれない。

昏れなずむ街のまばゆき電飾の影に隠れて堕天使が微笑む
関連記事

にほんブログ村 シニア日記ブログ 女性シニアへ



テーマ : ひとりごとのようなもの ジャンル : 日記

tag : ハンナ・アーレント 凡庸な悪 フクシマ

Secret
(非公開コメント受付不可)

検索フォーム
人気ブログランキング
にほんブログ村
福島は今...
プロフィール
Author:千風
気が付けば、シニア.........。 老眼鏡無しには新聞も本も読めず、 体の各部位が少しづつ、 壊れゆく 今日この頃、 この世での 残り時間を思うと、気持ちだけはアセアセ、ジタバタ、 ドタバタ。 心に反比例して 体の動きは うだうだ、だらだら、 とろとろ、のんべんだらりん、だらだらりん・・ついでに座布団に つまづいて すってんころりん。 ころころりん・・。 そんな明日をも知れぬ シニア女が老いと死の狭間で 揺れ動く、 切なくも哀しい乙女心。 じゃなかった・・(^_^;) 「お婆心?」を 時には超真面目に、 また或る時はユーモラスに、 独断と偏見思考で綴っています。
最新の世迷言
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
RSSリンクの表示
お気に入りブログ
ブロとも申請フォーム
読書メモⅠ
商品紹介
Twitter
読書メモⅡ
永遠の世界への旅立ちグッズ