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親孝行したくないのに親がいる
「いかに納得して死ぬか?」ばかりを追求して、
そのようなことだけを記事にしている私とは違い、
シニアorシルバー世代になっても、
人生に目的、希望、夢を持ち、それらを実践しながら、
心豊かで前向きなシニアorシルバーライフを
満喫していらっしゃる方々には頭が下がる。
きっと、無縁死や孤独死には縁がない幸せな生活環境にいらっしゃるのだろう・・・。




けれど・・・・・
世の中、そのようなシニアorシルバーばかりではないのも事実・・。



夫を7年前に亡くしたA子(当時78歳)は、夫との思い出の残る古い家で
自由きままな独り暮らしをしていたが、長女(当時55歳)の夫が定年を迎え、
社宅を出なくてはならなくなった・・。

ついては、この古い家を解体し、夫名義で家を新築するから同居しない?
と、長女夫婦から話を持ちかけられた。

自分もこれからは老いゆくばかり、介護される側になるのも時間の問題。
実の娘との同居なら上手くいくかもしれない。
婿殿も優しい人だし・・
と思い、同居を承諾した。

木の香りのする新しい家の2Fの奥の6畳一間をあてがわれ、
充実した老後を迎えるべく、同居を始めた。
だが、そこには思い描いていた幸せな老後などはどこにもなかった。


実の母娘ゆえなのか・・
互いに遠慮も気遣いもなく、
言いたいことを言い合い、毎日ケンカばかり。
茶飲み友達も娘夫婦に遠慮してか、次第に足が遠のき、
誰も来なくなった。



そして、ただただ、

車を買い換えるから・・
車庫を借りるから・・
病院への送迎用のガソリン代と昼食代を出して・・
家のローンの返済分の半分を負担して・・
生活費が足りないのよ。お金を貸して・・・
お世話代を値上げするわ・・・
間借り代も取ることにしたわ・・・


等々で、A子の貯蓄と年金は湯水のように吸い上げられていった。
長女夫婦は、徐々に金銭感覚がマヒし、
A子のことを死ぬまで年金という現金が出てくる打出の小槌と思い始めていた・・。

そして今、A子は88歳になった。
加齢に因るまだらボケを理由に、
成年後見人の届け出もしないままに
預貯金通帳も自分の葬式代として仏壇の引き出しにしまっておいた現金も
長女に取り上げられてしまった。
果ては、A子名義の土地を長女に相続させる旨の遺言書も書かされた。
もし、断ったら、この家から追い出されそうな気配がありありと感じ取られたからである。

他にも二人の娘(次女、三女)が居るが、既に義理の親と同居の嫁いだ身。
今更身を寄せる場所もない・・。
米寿を迎えた老いの身に選択肢はない。
このまま、何も言わずただ耐えて我慢して、
この家に置いて貰うしかないのだとA子は考えていた。


昨年A子は手摺のない2Fへの階段で転んで大腿骨を骨折し、
図らずも車いす生活になった。
部屋だけは一階の仏間に変わったが、長女の態度はなにも変わらない・・。
むしろ、邪魔者扱いにしているかのような風に感じてしまう。
「食事が遅い!片付かない!」と毎回文句を言われて嫌な顔をされ、
楽に寝起きの出来る介護用ベッドが欲しいと言っても、
「そんな余裕はない!」と言われ、
物置から出してきた古く汚れたソファベッドに寝かされた。



そんなとき、長女の夫が難病に罹患し、入退院を繰り返すようになった。
当然の如く、長女の夫の医療費はA子の預貯金から出している。

「夫の介護で精いっぱいで、体力的にも精神的にも、
もうお母さんの介護までできない!」
と長女に言われ、
介護認定を受けさせられて、デイサービスに行かされた。
A子は幼稚園児がさせられるような塗り絵も風船遊びも
バカにされてるような気がして嫌だったが、
ここは「老稚園」なのだから・・と思い直して、
努めて楽しいそぶりを見せて我慢していた・・。

そののち、長女の夫の何度目かの入院のため、
「ひとりではこの家に住めないでしょ?」
とA子は強引に老健に入れられた。
だが老健には長くは居られない。
長女が勝手に特養にも申し込んでいたらしく、
来月から入ることになった。

A子は頭が鮮明なときにふと想う。
目の前のお金は目に見えるけれど、
家族の絆などというものは目には見えない幻のようなものなのだ。
家族愛という幻想の産物はシャボン玉のように
儚く何処かへ消えて行ってしまった。

テレビに出てくるお年寄りはみんな明るく笑顔で、
「今が一番幸せです。」などと言うが、
果たして本心なのだろうか?
私の場合は
誰が、何が悪かったのだろうか・・?
どこでどう間違えてしまったのだろうか・・?
それとも、これが当たり前の今の世界なのだろうか?

今更考えてもどうしようもないけれど、
少しでも尊厳を持って生き、尊厳を持って最期を迎えるために、
もう私の側から長女との絆は断ち切ろう。
と・・・。

あの、思い出のたくさん詰まった古い家で誰に気兼ねすることもなく、
時折訪ねてくる友人たちと、心ゆくまでお茶を飲みながら楽しく語り合い、
孤独死するまで自由きままに生きていたほうが、
幸せだったかもしれないわ・・・。

長女は長女で思っていた。
老いた親の存在のなんと疎ましいことか!
無一文の老いた親よ早く死んでくれ・・・
と・・・。
110201r
独り居る寂しさよりもふたり居る時間のほうが孤独だなんて
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テーマ : 「生きている」ということ ジャンル : 心と身体

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プロフィール
Author:千風
気が付けば、シニア.........。 老眼鏡無しには新聞も本も読めず、 体の各部位が少しづつ、 壊れゆく 今日この頃、 この世での 残り時間を思うと、気持ちだけはアセアセ、ジタバタ、 ドタバタ。 心に反比例して 体の動きは うだうだ、だらだら、 とろとろ、のんべんだらりん、だらだらりん・・ついでに座布団に つまづいて すってんころりん。 ころころりん・・。 そんな明日をも知れぬ シニア女が老いと死の狭間で 揺れ動く、 切なくも哀しい乙女心。 じゃなかった・・(^_^;) 「お婆心?」を 時には超真面目に、 また或る時はユーモラスに、 独断と偏見思考で綴っています。
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