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女は年老いるすべを早くから学ぶべきである。しかもそれは並大抵な才能でできることではない・・「今日は私の記念日ね。」と老いと認知症を受容した老女。「新宿"人情"保健室 ~老いの日々によりそって~」

東京新宿区の団地の中に、
お年寄りが相談に訪れる「暮らしの保健室」はある。
東京都の支援を受けているため、誰でも無料で利用出来る。
この日、買い物に出て自宅がわからなくなった女性が訪れた。
近所の人の情報を手がかりに調べて、自宅まで連れて行った。
続いて、保健室の常連がやってきた。
この日壊れた夫の位牌を持ってきた彼女とともに、
仏具店へ向かった。保健室では彼女の一人暮らしを見守り、
サポートしている。
「暮らしの保健室」で働く杉本さんは、
ベテラン看護師である。
この保健室の母体は訪問看護ステーションで、
杉本さんはそこの訪問看護師でもあり、
在宅ケアの相談にものっている。
この日は半年前保健室で相談を受けて
在宅療養の環境を整えた家を訪れた。
この家のご主人は肺がんを患っている。
体調は安定していて外出も出来るが、
余命は一年と告げられていて気持ちは沈みがちだという。
杉本さんは彼に日々を楽しむ気持ちを
取り戻してもらいたいと励ましている。
彼は退院以来、家に閉じこもりテレビを見ている。
杉本さんはデイサービスの利用を勧めた。
半世紀前庶民の憧れの的であった団地。
超高齢社会を迎えた日本の縮図といわれている。
「暮らしの保健室」にはお年寄りならではの相談が持ちかけられる。
一人でいると余計なことを考えて塞ぎこんでしまう、
数多くある相談である。
一人暮らしで家事などをこなしていたが
体がつらくなってきたという女性には、
公的サービスを使って負担を減らすことを薦めた。
お年寄りの中には介護保険の使い方を
わかっていない人が多いという。
保健室には時折、踏み込んだ相談も持ち込まれる。
終末期のがん患者の家族が、
自宅で看取りたいがどうしていいかわからないという相談。
妻は杉本さんに、映画の試写会に行きたいという相談をした。
杉本さんは車椅子で映画を見るサポートなどを行った。
この3日後、自宅で息を引き取った。
誰にでも訪れる最後の時を笑顔で
迎えられるように支えたいというのが、杉本さんたちの思いだ。
軽度の認知症と認知されている女性が相談に訪れていて、
テレビとエアコンのリモコンを取り違えて混乱しているようだった。
さらに一週間後、女性は生活費が見つからないと保健室にやって来た。
生活費はいつもの決まった場所に置いてあり、
これまでよりも物忘れがひどくなってショックを受けていた。
杉本さんたちは認知症と向き合うお年寄りの姿を数多く見てきて、
自分たちに出来ることはどんなことがあっても
その傍らに寄り添い続けることだという。
肺がんになってから家にこもりがちになっていた男性は、
デイサービスをきっかけに少し外出するようになっていた。
男性は4ヶ月ぶりに顔を見せた長男と一緒に
退院以来飲む気がしないと言っていたビールを飲み、
その10日後には病院で今の状況を見てもらった。
検査の結果に落ち込んでいた男性は、
死ぬのを待つしかないと言っていた頃のパジャマ姿に戻っていた。
杉本さんは男性を励まし、
話にも応じたくない状態の男性に杉本さんは話し続けた。
すると、杉本さんに外で会いましょうと少しだが元気を取り戻していた。
暑い夏、軽度の認知症と認知されている女性は
保健室に頻繁に訪れるようになっていた。
通帳を探している相談に、
杉本さんと一緒に家に行くと決まった場所に置いてあった。
さらに4時間後、女性は4時間後の出来事も覚えていなかった。
落ち込んでいた女性に杉本さんは励まし、
女性は吹っ切れたように笑っていた。
暮らしの保健室の杉本さんは、
軽度の認知症と診断された女性と将来慌てないための準備として
一緒に老人ホームを見学に行った。
杉本さんが対応している認知症の男性は
パジャマからシャツに着替えるようになり、
デイサービスにも通うようになった。
団地の片隅にある暮らしの保健室は今日も笑顔であふれていた。




認知症、脳疾患、ガンだけには絶対に罹りたくないと思っても、
老いては誰にでも明日突然に宣告される病かもしれない・・。

番組では或る初期の認知症の女性が、
炊飯器に入っていたご飯を誰が炊いたのか判らない。
ご飯を食べたかどうかも判らない。
実際にはご飯はヘルパーさんが来て炊いていってくれたのだが、
それすらも判らないと言う。
更に、エアコンのリモコンがない。
通帳がない。生活費として置いておいたお金がない。
と、一日に何回も「暮らしの保健室」に足を運ぶ。

そして、その高齢女性は、
いつもの場所にリモコンも通帳も生活費もちゃんと置いてあることを
指摘された後に、畳に突っ伏してしばし落ち込む。
しばらくして、起きあがり「今日は記念日ね。」と笑顔で言う。
彼女にとっては自分が認知症であることを自覚した日として、
その日を記念日にしたのだ。

老いとそれに付随する病を受容するということは、
すぐ先に待ちかまえている死をも受容することに繋がる。

介護保険が適用されてもおかしくない身体状態にある高齢者(女性)は、
介護保険の申請の方法すら全く知らないと
「新宿"人情"保健室 」の職員に話していた。


国はODAや軍事費(防衛予算)には湯水のごとくお金を使うが、
福祉には使いたくないらしく、
介護給費の抑制を目指して、介護の受け皿を「施設」の増設ではなく、
「在宅」「予防」中心へと、大きく舵を切った。

都会の一人暮らしの高齢者は誰に介護をして貰えばいいのか?
また、今はおふたりさまでも、いずれはおひとりさまになり、
やがては介護が必要になる老人たちが、都会には無数に存在することになり、
今以上に徘徊孤立死も増えるだろうことは誰の眼にも明らかであり、
多死社会格差社会を迎えている今、悩みを聴いたり、
必要とあれば、行政や地域包括支援センターに橋渡しをしてくれる
「新宿"人情"保健室 」のような「よろず相談所」や「 よろず保健室」を
行政主導で区に一ヶ所ではなくて、
徒歩や車椅子でも行ける場所(各町内に一ヶ所)設けることが、
今の時代に急務だと思った。



番組は派手な音響効果もなく、
新宿の団地に生きる名も無き老いた人たちと
彼らを支え、日々奮闘する訪問看護師の姿を淡々と放映していたが
NHKの体質として、しかたがないのだろう・・とは思うけれど、
「だから、今後の対策としてこうすべきでは?」
のような指針を示さないのが毎度のことながら、少々不満でもあった。
そして、自身の認知症を受容し、「今日は記念日ね。」
と笑顔で言う独り暮らしの高齢女性に、
私が更に老いても、また寝たきりになっても、
子どもと同居する予定などまったくないゆえに、
つい明日のわが身を重ね合わせるしかなかった番組だった。

女は年老いるすべを早くから学ぶべきである。
しかもそれは並大抵な才能でできることではない。 by セヴィニエ夫人


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Author:千風
気が付けば、シニア.........。 老眼鏡無しには新聞も本も読めず、 体の各部位が少しづつ、 壊れゆく 今日この頃、 この世での 残り時間を思うと、気持ちだけはアセアセ、ジタバタ、 ドタバタ。 心に反比例して 体の動きは うだうだ、だらだら、 とろとろ、のんべんだらりん、だらだらりん・・ついでに座布団に つまづいて すってんころりん。 ころころりん・・。 そんな明日をも知れぬ シニア女が老いと死の狭間で 揺れ動く、 切なくも哀しい乙女心。 じゃなかった・・(^_^;) 「お婆心?」を 時には超真面目に、 また或る時はユーモラスに、 独断と偏見思考で綴っています。
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