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人は死ぬ・・。この事実から逃れることはできません。そして、歳を重ねれば重ねるほどその日は近くなります。故に、自分の人生の最終段階を元気なときに自己決定して文書にしたためておくと、残された家族も自責の念が軽減されるのでは?
前回の記事では、友人のS子のことを書きましたが、
今日はY子(64歳)の置かれている状況についてです。

Y子のご主人様は現在70歳。
一年前に町内の老人会の日帰りバス旅行からの帰宅後に
気分が悪いと言って倒れ、すぐに救急車を呼んで、
近くの救急病院に運んでもらいましたが、診断は脳内出血だそうで、
残念ながら、そのまま意識は戻らず、急性期が過ぎたとかで、
療養型病院に転院して、現在に至っているそうです。

Y子はその日から、
雨の日も雪の日(ほとんど降らないけど)も毎日面会に行き、
奇跡が起こって、早く意識が戻る祈りながら、
また、後遺症が残っていても良いから、
「目覚めてあなた~」と神に縋る思いで
ご主人様に話しかけていたそうです。

それが、Y子言わせれば、
そういう状態が一年も経つと人間は変わるそうです。
今では、病院のベッドで昏昏と眠り続けているご主人様は、
どこかの知らない男性に見えてきて、
「もういいわ」的な気分になってきてしまったそうです。
「主人は私の人生のパートナーとして生きている人間じゃなくて、
胃ろうで肉体の機能だけが動いているただの肉塊にしか見えないの・・」
と言います。
面会から帰るときに、
胃ろうの管を抜きたい衝動に駆られることも度々有り、
「もうっ!早く死んで私を楽にしてよ!」
と思うこともあるのだとか。
そして、長年連れ添ったご主人様に対して、
そう思ってしまった自分に対して自責の念に駆られ、
苦しみ悩む日々が続いているのだとか。

ちなみに、現在の療養型病院に移ったときに
「延命治療を望む、望まない」を訊かれたときには、
死の話はタブーの傾向が強い夫婦だったため、
そういうことを夫婦で話し合ったことは一度もなく、
ましてや、一年間も意識が戻らないとは夢にも思わず、
即座に「何があっても延命をお願いします!」
と答えてしまったことも後悔しているのだとか。
そして、「お互いの終末期医療や延命治療の有無は、
精神的にも身体的にも夫婦が元気なときに話し合っておくべきだったわ」
とも言っていました。
そして、彼女は自分の人生の最終段階についての要望書を書き上げて、
子どもに託し、ご主人様のことも含め、
「気持ちが少しだけ楽になった」と言ってました。

更には、Y子は最近では、
彼女の脳内では肉塊と化した人生のパートナーのベッドの傍で、
99%は自分の健康のため、残りの1%はご主人様が、
ただの肉塊から元の生きている人間の姿に戻るかもしれないという
儚い希望に賭け、ご主人様の耳元で声を出して本を読んでいるのだそうです。

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人は死ぬ・・。この事実から逃れることはできません。
そして、歳を重ねれば重ねるほどその日は近くなります。
夫婦ともに健在ならばパートナーに、
おひとりさま、もしくはパートナーが認知症ならば、
信頼できる肉親の誰かに、
天涯孤独の身ならば成年後見人に、
自分の人生の最終段階の希望を書面に記して、
信頼できる誰かに託しておけば、
死にゆく本人はもとより、
残された家族も自責の念が軽減されるのでは?と、
Y子の話を聴いてつくづく思いました。
そして、ときどきでも死を意識すれば、
限りある生の残り時間を、
ほんの少しでも悔いなく過ごせるような気がします。

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テーマ : シニア・エッセイ ジャンル : 日記

tag : 人生の最終段階の希望

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プロフィール
Author:千風
気が付けば、シニア.........。 老眼鏡無しには新聞も本も読めず、 体の各部位が少しづつ、 壊れゆく 今日この頃、 この世での 残り時間を思うと、気持ちだけはアセアセ、ジタバタ、 ドタバタ。 心に反比例して 体の動きは うだうだ、だらだら、 とろとろ、のんべんだらりん、だらだらりん・・ついでに座布団に つまづいて すってんころりん。 ころころりん・・。 そんな明日をも知れぬ シニア女が老いと死の狭間で 揺れ動く、 切なくも哀しい乙女心。 じゃなかった・・(^_^;) 「お婆心?」を 時には超真面目に、 また或る時はユーモラスに、 独断と偏見思考で綴っています。
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