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終末期医療の要望書
20年ほど前、健在だった姑が私に訊いてきたことがある。

「ナス代しゃん。あん世っちゆう世界はほんなごとあっけん? 
あっけんってしたらどこにあると?」

突然の質問に戸惑いながらも、
「そうですね・・在ると思えば在るし、無いと思えば無いんじゃないでしょうか?
信じる者は救われる。と言いますから、
在ると思っていれば間違いなく、極楽浄土に行けると思いますよ。
お義母さん。そんなことを考えるより、今を楽しく生きられたらいかがですか?」
などと、ありふれた語彙を並べ立て適当に答えていた。

その頃の私は死や彼の世の存在などというものは、
遠い遠い遥かな未来に考える出来事であり、
死は見知らぬ他者の身の上起こる不幸な出来事だとしか思っていなかった。

それから10数年を経て、
忘れもしない○○病院の4F外科&整形外科病棟401号室に長期の入院をし、
全身麻酔での4時間にも及ぶ手術を経験してからは、
死は見知らぬ他者の出来事ではなくて、
明日、我が身に降りかかる出来事なのだと認識するようになった。

病友の終末期の姿も辛い切ない思いで見ていたが、
私にはどうすることもできないことであった・・・。

病院という場所は人を医療技術で最大限まで生かす場所であり、
最期を迎えさせる場所ではない。
むしろ死を忌み嫌う。
病院で最期を迎えた方々は数人の看護師や職員に見送られ、
全員が裏口からひっそりと搬出される。

病友と病院の裏庭を散歩中に、何度ご遺体に手を合わせたことか・・。

医療関係者はあらゆる手段を使って最期の日を伸ばそうとしてくれる。
その努力には頭が下がるが、私は無駄な延命はして欲しくない・・。

私の母は脳梗塞の後遺症で半身マヒが残り、
施設でほとんど寝たきり状態の日々を 十数年過ごし、
嚥下障害も出てきて栄養補給は胃ろうになり、その後何度も肺炎を罹患し
亡くなる前の二ヶ月間はスパゲティのようなチューブに繋がれ続けた。

胃ろうになったときや、延命の為のチューブに繋がれたとき、
母は何を思い、何を考えていたのだろうか・・・。

住みなれた自宅の自分の寝室で楽に最期の日を迎えられれば最高であるが、
約8割の人が病院で最期を迎える時代、そのようなことはほとんど望めない。
私が住む地域には高級有料老人ホームは雨後の筍のように建設されているが、
無理な延命をしないで心穏やかに、更に人としての尊厳を保ちながら終末期を支え、
安らかに楽に最期を迎えさせてくれるホスピス型の施設も医療機関もない。

病院で最期を迎えざるを得ないのなら、そして、どうせ助からない命ならば、
残される家族の為にも、無駄な延命はしないで早く楽にして欲しいと切に願う・・。
end1
この要望書はワードで作成し、自署で署名及び捺印をしています。
一年に一回はエンディング・ノートの見直しをしていますので、
その時点での心模様や家庭状況で内容が変わる可能性もあります。
101121r
やがて来る散り際想ふ死ぬるとは官能的な夢かもしれぬ
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テーマ : 「生きている」ということ ジャンル : 心と身体

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Re: NoTitle
名無しのごん子様。はじめまして。

へたくそな短歌もどきに初めて嬉しいご感想を頂き、
光栄です♪

あまりにも後ろ向きで死の話が多いので、
「ばばぁ!死にたければ早く死ね!」(笑)と
思われる方も多いのではないかと思い、
体裁の良い奇麗事だけを書くブログにしようかしら・・?
と思うときもありますが、
近い未来にはどうせこの世から消えゆく我が身です。
思うことを思うままに書いてゆくのみです。



> 私にも死とは甘美な世界です。そう信じることにしたのです。信ずる者は救われるですから。。。


死後の世界の事については、
聖書、コーラン、チベット死者の書、
エリザベス・キューブラー・ロスの著書等を参考に
私なりに解釈しながら徐々に書いて行くつもりですが、
死の瞬間は甘美な出来事だと思っています。
断言はできませんが、
なぜなら私。。。臨死体験をしていますから・・。

コメントありがとうございました。感謝します。♪



NoTitle
初めまして。
今、初めてなす代さんのブログ見つけました。
痛快、痛快!こういうブログに出会いたかった!
楽しみが一つ増えたわ。なす代さんのブログを開く楽しみ。
前向きに、前向きとに「この世に生きる事はすばらしい」と思おうとするメリットは若者にはあると思うけれど、人生論オタクだった私も50歳も半ばを過ぎて、それでは自分の”生”も”死”も受容できなくなった。
このところ、私はこの世より、あの世はすばらしいと自分に言い聞かせている。目下の楽しみは死ぬことである。そうすると自分の辛かった人生も、たった今の「生」も、なんとか凌いでいけるようになった。
究極の前向きは死を肯定することと考える。

「死ぬことは官能的な夢かもしれぬ。」

私にも死とは甘美な世界です。そう信じることにしたのです。信ずる者は救われるですから。。。
この歌、なす代さんは別な思いで作られたのかもしれませんが、、私の今の心にズドーンと響きました。

今日はなす代さんに出会えて、良い日となりました!
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プロフィール
Author:千風
気が付けば、シニア.........。 老眼鏡無しには新聞も本も読めず、 体の各部位が少しづつ、 壊れゆく 今日この頃、 この世での 残り時間を思うと、気持ちだけはアセアセ、ジタバタ、 ドタバタ。 心に反比例して 体の動きは うだうだ、だらだら、 とろとろ、のんべんだらりん、だらだらりん・・ついでに座布団に つまづいて すってんころりん。 ころころりん・・。 そんな明日をも知れぬ シニア女が老いと死の狭間で 揺れ動く、 切なくも哀しい乙女心。 じゃなかった・・(^_^;) 「お婆心?」を 時には超真面目に、 また或る時はユーモラスに、 独断と偏見思考で綴っています。
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