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よろめきに死す。
いつも行く市営プールのギャラリーで持参した昼食を食べていたら、
真向かいのテーブルで先ほどまでプールで水中ウォーキングリハビリに励んでいた、
脳血管障害の後遺症と思われる半身不自由状態の男性の御老人2人(多分・・80歳前後)が
大きな声で話をしているのが聞こえてきた。




「なぁ、Bさん。聞いてくれや!今度来た送迎ヘルパーはハズレだっただよ。」


「あんだって?
そのヘルパーは仕事ができねぇのかい? 
それとも気が利かねぇのかい?」


「違うよBさんよ。『当たりはずれ』ちゅうのはよ。
仕事の出来不出来でなんかでねぇよ。要は器量よしかそうでないかということだんべさ。」


「おんやまぁ、そうなのかい。
んだなや。Aさん担当の送迎ヘルパーC嬢の御面相を見る限り、
そりゃ間違いなくはずれだんべや。Aさんはくじ運が悪いんだべなぁ・・」


「おらぁよ、別にヘルパーの齢は問わねぇけどよ。
それでも、色っぽい美人でねぇとよ、ハビリの身の入り方も違うだよ。
それにこの歳になると、綺麗どころと知り合いになれるつーたらよ、
ホームヘルパーしかいねぇべよ。
やっぱり、ヘルパーは別嬪さんでなくちゃいけねぇよ。
ヘルパー2級以上の資格は別嬪であることも付け加えてくんねぇかなぁ・・
っていつも思ってんだよ。
今はなにかにつけては文句ばっかりの我が家の皺くちゃ婆さんより、
気が利かねぇでも、運よく器量よしのヘルパーに当たって、
おらぁ秘めたトキメキの中で死にてぇだよ。」


「それは、トキメキでなくてヨロメキと言うんでねぇんかい?
ここのプールで一所懸命リハビリしながら、        
当たりのヘルパーが来るのを、待ってたらどうなんだい?
よろけた振りして、美人へルパーにわざとタッチするのも年寄りの特権だしよ。」


「んだげんじょも、器量よしのヘルパーに巡り合うのは宝くじに当たるようなもんだでな・・
それまでにはたぶんオレは死んじまってるだよ。」


「それもそうだべな・・・。
この辺にも福島第一原発から放射能も飛んで来てるしよ。
美人ヘルパーに巡り合う前に死んじまってるかもな。
考えりゃ、美人ヘルパー当たるより前に、そして、晩発性放射線障害で死ぬより前に
オレたちは寿命が来て死んじまってるだよ。
それより、早く家さけぇって、水戸黄門の再放送でも見んべや。


「ところでよ。由○かおるの入浴シーンがあるシリーズはいつ再放送するんだい?
オラァ、あの入浴シーンだけが楽しみなのによ。今のシリーズじゃやってねぇんだよ。
あの頃の由○かおるを見るのは楽しみだけどよ。現実の由○かおるは年齢的にはもう婆さんだべ?
それでも、婆さんでもなんでも、由○かおるみたいなホームヘルパーが来てくれたら、
オラいつ死んでもいいと思ってるだよ。
それにしても、幾つになっても男の現実は厳しいもんだなや・・・」




私ががくすくす笑っているのに気がついたらしく、
色気だけはご健在のお元気な2人の御老人は照れ笑いを浮かべながら、
そそくさとギャラリーから出て行かれたけど、
あの御老人たちはきっと長生きすると思うわ。
長生きするにはやはりユーモアと色気なのでしょうね。

私も10数年前に生活援助のホームヘルパーを短期間経験したことがあるけど、
当たりだったのかしら?
それともハズレだったのかしら?
自分じゃ当たりだと思ってるけど・・・。(^_-)-☆

追憶の欠片抱きしめありふれた世俗の夢みてタナトスを待つ
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テーマ : 「生きている」ということ ジャンル : 心と身体

tag : 晩発性放射線障害

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プロフィール
Author:千風
気が付けば、シニア.........。 老眼鏡無しには新聞も本も読めず、 体の各部位が少しづつ、 壊れゆく 今日この頃、 この世での 残り時間を思うと、気持ちだけはアセアセ、ジタバタ、 ドタバタ。 心に反比例して 体の動きは うだうだ、だらだら、 とろとろ、のんべんだらりん、だらだらりん・・ついでに座布団に つまづいて すってんころりん。 ころころりん・・。 そんな明日をも知れぬ シニア女が老いと死の狭間で 揺れ動く、 切なくも哀しい乙女心。 じゃなかった・・(^_^;) 「お婆心?」を 時には超真面目に、 また或る時はユーモラスに、 独断と偏見思考で綴っています。
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