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ガンを告知された人とどう接するか?
今日、いつも行く市営プールに行ったら、
「震災直後頃から体調が良くないのよ。震災のストレスかしら・・?」
と言っていたプー友(プール友達)が久しぶりに顔を見せていた。
そのプー友が・・・・・
「じつわね。私、ガンなんだって・・・
それでね。近々手術をすることになったのよ・・。」
と告白された。

そういえば、普段は何事にも強気で、負けず嫌いで頑張り屋さんで、
そして、私とは正反対な性格で、何事にも超前向きな彼女(60代前半)が、
最近はこころなしか集中力に欠け、弱気な面を曝け出していたことが気になっていたが、
まさか、ガンを告知されていたとは夢にも思っていなかった。

老いれば嫌でも体のあちらこちらの不調が増える。
関節の痛みや、高血圧などであれば、投薬でどうにかなるが、
ガンと告知されれば体より先に精神が不安定になることは私でも理解ができる。
(私もガン検診では毎回要精密検査を言い渡されているので・・)

思えば、私は普段から、「老いと死を見つめながら今を生きる」を
メインテーマに月に数回ほどこの泡沫ブログの更新をしているが、
それは私自身の「老いと死」について納得するためであり、
配偶者や友人等の他者に向けたものではなかった・・。

ゆえに私は彼女から「ガン」を告白されたときに、
一瞬戸惑い、一言も適切な言葉が出なかった。
頭の中では、こういう場合はどういう言葉を発するべきなのか?
で脳はパニックに陥っていたのである。
そして数秒を経て、やっと出た言葉はといえば、
「今はガンで死ぬ時代じゃないから大丈夫よ。
それに治る確信があるから手術を勧められたんじゃないの?
ところでステージは1なんでしょ?」

と、励ましになっているんだかいないんだか、
ますます落ち込ませているんだかいないんだか、
判らないような言葉を返してしまった。

彼女は「恐ろしくて何も聞けなかったわ。だから私のガンの進行度合いも何も知らないのよ。
でも何が何でも手術を勧められているの・・。なんだか、目に見える色が今までの極彩色から
すべて灰色に変わってしまったのよ。この世界の本当の色って灰色だったのね・・・。」
と言いながら、背中に重い悲哀のプルームを背負ってプールから出て行った。

実際には治療によって「ガン=近い将来の死」至らない人でも、
我々はガンを告知されたら、すぐに死に結びつけてしまいがちである。
今、彼女は告知によって、治療もする前から、
また自分の体の中のガンの詳細も知らないままに、
そしてまだ余命を宣告されているわけでもないのに、
「ガン=死」のイメージの罠に陥っているのが切ない。


他のプー友(プール友達)の母親は歳60歳のときに乳ガンに罹ったが、
全摘手術を受けて、89歳の今も元気で過ごしているそうである。
だが、私の義理の姪(享年30代後半)は体調が悪くて
病院に行った時にはすでに手遅れのガンを宣告され、
治療をしても意味がないと余命半年の告知をされた。
だが、それでも微かな希望は捨てずに奇跡を信じての代替療法を頑張っていたが、
それでも一年までしか命を繋げなかった。




エリザベス・キューブラー・ロスによる有名な死の五段階説がある。
偉大なロス博士にケチをつける気はないが、
私には第一段階の「否認と孤立」に至るまでに前段階の、
ガン告知直後のショック&パニック状態からの脱却のための
共有と鎮静」もあるのではないかと思った。
彼女がプールを後してから、私以外の親しい人たち数人にも
「ガン告知」されたことを打ち明けていたことを聞いた。
思うに・・彼女はガン告知の「ショック&パニック状態」を鎮静すべく、
憐憫でもなく、激励でもなく、
他者に話をすることで、独りでは背負いきれない、
苦しい胸中の共有を求めていたのではないかと思えてならない。

見え透いた励ましや同情は彼女のショック&パニックの精神状態を増幅こそすれ、
決して彼女の心の鎮静の為にはならないのではないかと、ふと考えてしまった。

「もし、私に出来ることがあったら、またして欲しいことがあったら、
メールでも電話でも良いからいつでも連絡してね・・」
程度にすべきだったのかもしれない・・。


かくいう私・・・
もうガン検診は受けない。と考えていたが、
国民健康保険から無料ガン検診券が送られてきたので、
無料に釣られてしまい、来月ガン検診を受ける予約をした。
また、要精密検査を言い渡され、検査結果が出るまでの期間、
灰色の世界に身を委ねることになるのだろうか・・?
万が一ガン告知でもされたら、灰色の世界どころではなく、
真っ暗闇の世界に身を委ねることになるけれど、
それもまた限りある命を背負った人生、、、と無理矢理にでも思わなければ、
やがて訪れる死へのレッスンにはならない。

誰もが好きなように生き、人も羨む長寿でピンピンコロリで逝きたいと願う。
だが、それは宝くじの一等賞を射止めるようなもので、
確率的には超低いものなのである。

どんなに健康に気を付けても、大量の高価なサプリメントを摂取しても、
若くして死ぬ人は死ぬ。
逆に健康に無頓着で、運動も嫌い、野菜も嫌いな人で、戦後すぐから煙草を吸い続け、
喫煙歴が60年以上を経てもなお、今なお元気な女性(80代)もいる。
そして、「家族は煙草をやめろ!と言うけんど、
今、煙草をやめたら、ストレスで早死にしてしまうだよ。」と口癖のように
言っている。

他にも、シルバーカーを押しながらもヨボヨボ、ヨロヨロ・・
おまけに今にも転びそうに歩く近所のお年寄り女性(82歳)もいれば、
颯爽と車を運転してプールに来て毎回必ず2㌔泳いで帰るお年寄り女性(82歳)もいる。
同い年でありながら、この身体能力の個体差はなんなのだろうか?と考えるとき、
人の寿命も死へ至る時期も、人間には如何ともし難い自然の摂理に支配されている。
としか言いようがない。

「ガン=ただちに死」の人もいるが、「ガン=ただちに死」ではない人もいる。
今は彼女の身心のガンへの防衛メカニズムが起動して、
「ガン=ただちに死」ではない人の部類に入ってくれることを願うのみである。
110915r
炎天に実のはじく音聴こえきて八月は死に夏が終わりぬ 
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テーマ : ひとりごと ジャンル : 日記

tag : エリザベス・キューブラー・ロス 死の五段階説 否認と孤立 共有と鎮静

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Author:千風
気が付けば、シニア.........。 老眼鏡無しには新聞も本も読めず、 体の各部位が少しづつ、 壊れゆく 今日この頃、 この世での 残り時間を思うと、気持ちだけはアセアセ、ジタバタ、 ドタバタ。 心に反比例して 体の動きは うだうだ、だらだら、 とろとろ、のんべんだらりん、だらだらりん・・ついでに座布団に つまづいて すってんころりん。 ころころりん・・。 そんな明日をも知れぬ シニア女が老いと死の狭間で 揺れ動く、 切なくも哀しい乙女心。 じゃなかった・・(^_^;) 「お婆心?」を 時には超真面目に、 また或る時はユーモラスに、 独断と偏見思考で綴っています。
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